2022年北京オリンピックのフィギュアスケートの団体戦で完璧な演技を見せ話題になった、ロシアの15歳カミラ・ワリエワ選手。
日本のメディアは彼女を「絶望」という代名詞で報道し、なぜ彼女を「絶望」と呼ぶのか不思議に思った人も多いかと思います。
現在はワリエワ選手のドーピング問題が浮上し、本来の意味とは違う意味で使われてしまっていることもしばしば。
今回の記事では、なぜワリエワ選手が「絶望」と呼ばれているのかについてまとめていきたいと思います。
(アイキャッチ画像URL http://figureskating-miryoku-matome.blog.jp/archives/22262467.html)
ワリエワが絶望と呼ばれる由来は?
彼女に勝つことを誰もが諦めてしまうほど強いから
ワリエワ選手が「絶望」と呼ばれている由来は、選手たちが彼女との実力差に圧倒されてしまい、絶望してしまうからということなんだそう。
まだシニアデビュー1年目ながら、あまりの実力の高さから「彼女に勝つことを誰もがあきらめる」という意味合いで、「絶望」という異名がある。
引用元 https://www.asahi.com/articles/ASQ2B4FWVQ2BUTQP00B.html
彼女はまだ15歳で、2021年にシニアデビューを飾ったばかり。
筆者も初めて彼女の演技を見たとき、あまりにずば抜けた出来栄えに、

他の選手がこの演技を見たら「絶望」してしまうのは納得…
と思ってしまいました。
「絶望」という異名をつけられてしまうほどの実力あるワリエワ選手。
まだ15歳の少女は、これまでにどのような実績を残してきたのでしょうか。
ワリエワのこれまでの実績


ワリエワ選手のジュニア時代からシニアでの活躍を見ていきましょう。
2019年~2020年シーズンの成績(ジュニア時代)
主な国際大会名 | 結果 |
世界Jr.選手権 | 優勝 |
JGPファイナル | 優勝 |
JGPチェリャビンスク | 優勝 |
JGPクールシュヴェル | 優勝 |
2021年~2022年シーズンの成績(シニア)
主な国際大会名 | 結果 |
欧州選手権 | 優勝 |
GPファイナル | 中止 |
GP スケートカナダ | 優勝 |
GP ロステレコム杯 | 優勝 |
CS フィンランディア杯 | 優勝 |
出場している国際大会は全て優勝していますね。
まだ15歳の彼女が、これだけ大きな大会に出て、優勝し続けられているのは本当にすごいことですよね。
ワリエワ選手が今まで残してきた実績を見ると、あまりの強さに他の選手たちが絶望してしまう理由が分かりますよね。
彼女の強さの秘密とは、一体なんなのでしょうか。
スポンサードリンクワリエワの強さの秘密


ワリエワ選手は具体的にどのような点が優れており、他の選手との差を生んでいるのかを見ていきたいと思います。
手を上げた4回転ジャンプが跳べる
女子は近年、一気にジャンプの高難度化が進んだ。 平昌ピョンチャン 大会までは、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功したのは浅田真央ら3人だけだったが、今回出場するROCの3選手は、いずれも4回転ジャンプを武器にする。
引用元 https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2022/20220215-OYT1T50207/
近年の女子フィギュアスケート界では、4回転ジャンプを成功させられる選手がどんどん出てきています。
その中でもワリエワ選手の特徴といえば、全てのジャンプで両手を上げて跳ぶことにあります。
一時期、ジャンプ中に両手を上げること(空中姿勢の変化)が加点をもらえる要件の1つにありましたが、現在は変更され、直接の加点にはなりません。
しかし、美しい姿勢が演技にプラスになっていると見なされれば、演技構成点にも反映され得点アップにつながります。
また、手を上げることで回転速度が上げやすいというメリットもあるそうです。
ワリエワ選手の強さには、高難度のジャンプを美しく跳べるところにあるのでしょうね。
磨き上げられた表現力


ワリエワ選手はフィギュアスケートだけを練習しているわけではありません。
リンクに上がる前にクラシックバレエのレッスンを受けたり、様々なジャンルのダンスを踊ったりして表現力を磨いているそう。
特にクラシックバレエはダンスの基本とも言われています。
筆者も3歳からクラシックバレエを習っており、ずっと続けていましたが、バレエの先生には



どんなジャンルを踊るときにも、バレエでの経験は絶対に活きるわよ!
と耳がタコになるほど言われてきました。
振りつけ指導を行うダニイル・グレイヘンガウスコーチは、その滑りをこう表現する。「氷上の彼女はとても優雅に映る。その姿はバレリーナのようだ。彼女のスケーティングもスピンも空気のように軽い」
引用元 https://post.tv-asahi.co.jp/post-170583/
15歳になったワリエワ選手は身長も伸び、大人のムードを醸し出しながら演技ができるようになったとか。
技術だけでなく、表現力で周囲を魅了させられるワリエワ選手ということですね。
ワリエワは他国のメディアで絶望と呼ばれていない!


日本では数々のニュースの見出しでワリエワのことを「絶望」という代名詞を使って語っているのをよく目にしますよね。
- 『ジャンプ5本失敗しフリー5位でメダル逃したワリエワ、自らが「絶望」の表情』…2022/02/17 読売新聞オンライン
- 『ワリエワ「絶望すぎる演技」で圧巻の団体SP1位 高得点ジャンプを次々と成功』…2022/02/06 日テレニュース
2022年2月7日のスポーツ報知の記事によると、
地元・ロシアのテレビ局が、ライバルにとって「絶望」と異名をつけるほど、圧倒的な存在だ。
引用元 https://hochi.news/articles/20220206-OHT1T51286.html?page=1
ワリエワ選手の地元であるロシアのテレビ局が「絶望」というあだ名をつけたとあります。
しかし、2022年2月18日の報道では、ロシアのメディアにおいてワリエワ選手は、「絶望」というあだ名で通っていないとのこと。
「ロシアで『絶望』と呼ぶ人はいない。唯一の愛称は『カミ』(カミラの略称)」と明かすのは、ロシアメディア「スポーツボックス・ル」(モスクワ)のアンドレイ・イワノフ副編集長だ。「『絶望』の異名は、格闘技の選手だね。女子フィギュア選手には似合わないな」と話す。
引用元 https://hayatts.com/wp-admin/post.php?post=3345&action=edit
欧米のメディアでは、ワリエワ選手の愛称を『ミス・パーフェクト』と呼んでいるという記事もあります。
いったい誰が、彼女に「絶望」というあだ名をつけたのでしょうか。
どうやら、日本人20代男性がツイッター上でつぶやいたことが始まりだったようです。
「3日に1回くらい見て絶望したいなと思う日があるんだよな」などのツイッター投稿に行き着いた。12歳だったワリエワ選手が年代別大会で優勝していた18~19年シーズンで、同選手の演技を見た日本の一部ファンの間でやりとりされていた。…この男性は、「もともとの意図と違う形で使われているので、これ以上広まってほしくない。選手のマイナスイメージにならないよう祈るばかり」とも語っている。
引用元 https://www.jiji.com/jc/article?k=2022021800536&g=soc#comment
本当にこのつぶやきが始まりであるならば、日本のメディアが報道していたことの真偽も問われることになりそうですね。
今後の動向に注目です。
まとめ
今回の記事では、
- ワリエワが「絶望」と呼ばれている由来
- ワリエワの強さの秘密
- ワリエワは国外で「絶望」とは呼ばれていない
上記についてまとめました。
ワリエワ選手のドーピング問題が発覚し、「絶望」という異名が本来の意味とは異なる意図で使われてしまっている現在、問題の真相は解明されておらず、この先どうなるかもわかりません。
周囲を「絶望」させてしまうほどに圧倒的な技術力を持つワリエワ選手。
問題を乗り越えて、また素晴らしい演技を見られることを願っています。
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