2021年12月にドン・キホーテから、「NHK受信料を支払う必要がないテレビ」が発売されたとして話題になりました。

NHKだけが映らないテレビがあるのか!
と驚いた人も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、こちらのテレビはテレビチューナーが付いていないため、NHKの放送はもちろん、普段見ているような地上波のテレビ番組やBS、CS放送などは見ることができません。録画もできません。
テレビチューナーではなく、AndroidTV端末を導入しているため、インターネットに繋いでYoutubeやNetflixなどの動画配信サービスやアプリを利用する仕組みになっています。
テレビというよりも大画面モニターに近いイメージかと思います。



えー、NHKだけじゃなくてほかのテレビも見れないのか…
と、がっかりする人もいたかもしれませんね。
今回の記事では、なぜNHK「だけ」が映らないテレビは存在しないのか、また、今回発売されたNHK受信料不要と謳われているチューナーレステレビがネット上でのどのように評価されているのかをみていきたいと思います。
(アイキャッチ画像出典元:https://www.pakutaso.com/20210946244post-36456.html)
NHK受信料を支払う私たち
テレビを所有している世帯は、NHK受信料の支払いが義務付けられています。
NHKを毎日見るわけでもないのに、月々およそ955円~2220円ほどの受信料の支払いをしている世帯も多いのではないでしょうか。
特に若い世代の単身者にはなかなか痛い出費ですよね。
そんな中で、「どうせNHKを見る機会は少ないし、NHKが映らないテレビがあればな~」と考えたことはありませんか。
現在の日本で、NHKが映らないテレビは存在するのでしょうか。
現在テレビとしての販売はされていない


今のところ、NHKが映らないテレビは販売されていません。
過去には同じように、SONYからテレビチューナーが搭載されていない液晶モニター
が販売された例があります。
しかし、当時の液晶テレビは今よりも高価。一番小さいサイズで43インチ、価格は10万円を超えていたそうです。
業務用だったこともあり、法人でないと購入できませんでした。
天下のSONYも販売していない、NHK「だけ」が映らないテレビ。実現することは不可能なのでしょうか?
NHK「だけ」が映らないテレビ、販売されないワケ
日本の技術力を持ってすれば、NHKだけが映らないテレビは制作可能であるそう。
NHKだけのテレビが販売されることになれば、受信料も払わずに済むのでそれなりに需要はあるはずですよね。
一体なぜ、NHKが映らないテレビは日本で作られていないのでしょうか。
- 特許の問題がある
テレビは、「ARIB(アライブ)規格」という民間の標準規格をもとに作られています。
この規則では、テレビというものは全てのチャンネルが受信できる、と規定されています。
NHKだけが映らないように設定されたテレビはその基準から外れてしまうことになりますね。
しかし、ARIB規格に法的な拘束力はないため、この規格を守らなくても問題にはならないんだとか。



それならARIB規格を無視したテレビを作っちゃえばいいじゃん!
と思いませんか?
でもこの基準が守られていないと、B-CASカードが発行されません。
このカードがないと、NHKはおろか、他のデジタル放送も見れなくなってしまうため、テレビとして販売できなくなってしまうんです。
売り物にならないテレビを、わざわざ作ろうとする会社はないですよね…。
- 放送法の問題がある
ほかにも、NHKの求められている役割として、以下の内容が放送法で定められています。


「協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的とする。」
昭和二十五年法律第百三十二号
放送法 第3章 日本放送協会 第15条 目的 より
すなわち放送法では、NHKは全ての国民に豊かで質の良い番組を届ける義務があるとしています。
このような社会的な役割を負っているNHKを見られない受信機器を作ることは、NHK設立目的への妨害行為とみなされてしまう可能性があります。
企業側としても、わざわざNHKに喧嘩を売るようなことはしたくないのが本音。
このような理由から、たとえ需要があったとしても、大手メーカーも手を出しづらいのが現状でしょうね。
スポンサードリンクチューナーレステレビに関するネットの反応まとめ
では、話題になっているドン・キホーテから発売された「NHKが見れないテレビ」について、ネット上での反応はどうなっているのでしょうか。
テレビ離れが進んでおり、動画配信サービスも充実している現在、「地上波デジタル放送等のテレビ機能がなくても困らない」という意見がよく出ていますね。
ドン・キホーテからチューナーレステレビが販売されたことをきっかけに、このようなチューナーレス仕様のテレビが今後増え、他社メーカーによる開発が進められることを望む声も。
そのほかにも、「NHKを見る権利も見ない権利もこれからの時代は選べるようになるといいのでは」「今は視聴者が見たいものを選択する時代といっていい」など、現在はNHKを見る人も見ない人もNHK受信料を支払っていますが、それぞれが自分で見る・見ないを決められる世の中になることを願う声も上がっていました。
普段テレビを見ない人にとっては、NHK受信料を支払わない分お金が浮く分、ドンキでこのテレビを購入し、動画配信サービスを使いながら好きなアニメや映画を見るほうが納得のいくお金の使い方ができますよね。
チューナーレステレビの発売をきっかけに、市場はどのような広がりを見せていくのでしょうか。
今後の動きに期待ですね。
まとめ
現段階では、NHKが映らないテレビを手に入れることは難しいことがわかりました。技術的には可能でも、特許や法律の壁を越える必要があり、すぐに実現させることは難しそうです。
「どうしても受信料を支払いたくない!」
そんな人は、テレビを持たず、テレビ番組はスマートフォンアプリの「TVer」を使って民放を見たり、NetflixやAmazonプライムなどのサブスクリプションを利用したりする生活に変えていくのはいかがでしょうか。
ちなみに筆者もテレビは持たず、popIn Aladdinというアプリケーション内蔵型プロジェクターを使っていますが、特に不便は感じていません。
一度だけNHKの契約の人が来ましたが、「テレビは持っていません」と答えるとすぐ帰ってくれました(笑)
テレビのない生活もおすすめです。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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