「坂上&指原のつぶれない店」で紹介された「シカもも肉の刺身」ですが、SNS上では“ジビエの生食”に心配の声が相次ぎました。
近年では取り扱う飲食店が増えているジビエですが、味や安全性が気になります。
そこで本当にジビエはまずいのか、臭い理由と生食が危険なのは寄生虫が原因なのかについて調べました。
(トップ画像出典元:https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2201/spe1_04.html)
「ジビエはまずい」と言われる原因
シカやイノシシなど狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉のことをフランス語でジビエ(gibier)と言います。
味覚も人それぞれなので万人が美味しいと感じるのは難しいですが、「ジビエがまずい」と言われる原因は下処理にあるようです。

初めて食べたときにまずかったら「ジビエはまずい」ものって思うよね〜
ジビエを食べた個人的感想


奈良県御杖村のイノシシ肉



脂身多めでも全然油っこくなくてすごい淡白‼︎
味付けはシンプルに塩だけで何皿でも食べたいくらい美味しかった〜


滋賀県余呉湖観光館「熊肉の金太郎鍋」



お肉の臭みは全くなく、野菜もたっぷりで味噌のお鍋が美味しくて温まりました〜
ジビエが臭い3つの理由


ジビエが臭い理由は寄生虫が原因ではなく、下処理の仕方や捕獲された時期によるものです。
下処理がきちんとされていない
ジビエが臭いのは捕獲の仕方や下処理の仕方に問題があり、丁寧に扱われたジビエの肉は臭みも無く柔らかく美味しいです。
内臓を傷つけないように捕獲する
なるべく新鮮なうちに内臓を処理し冷凍保存する
血抜きなどの下処理がきちんとされている
清潔に精肉する



丁寧に手間をかけることで、料理はほんとに美味しくなる♪
香りが強い時期(発情期)のもの
野生鳥獣には発情期があり動物によって時期が異なります。
特にイノシシやシカのオスは発情期特有の臭いを出し、かなり臭みがあります。
イノシシの発情期/12〜2月
シカの発情期/9月〜11月



猟師さんも発情期は狙わないようにしているそうです。
イノシシ肉の旬


イノシシ肉は秋冬(発情期前)が最も脂が乗って美味しいと言われています。
この時期は越冬に向けて木の実などをたくさん食べ体重を増やします。
イノシシのロースは脂が多いほど上等とされており、11月末〜年末あたりが脂がピークを迎えます。



ものすごい脂‼︎
シカ肉の旬


春は木の芽や若草など餌が豊富な季節です。
シカ肉は若草をふんだんに食べた春〜夏が一番美味しいと言われています。
もともと狩猟期間は秋〜冬と法律で決まっていましたが、近年では駆除の必要性から通年行われています。
秋〜冬のシカ肉もとても美味でしたが、通年食べれるようになり春〜夏のシカ肉はさらに柔らかく、その美味しさが明らかになりました。



猟師さん曰く、秋〜冬と春〜夏では一目瞭然‼︎
全然違うみたい‼︎
日本人が慣れていない
本来「肉」は臭いものです。家畜はエサ等によって臭いを消す工夫がされてきました。
また日本で一般的に流通されている牛や豚肉はきちんとした血抜きなどの下処理がされているため、日本人はジビエ独特の臭みに慣れていません。



ヨーロッパではジビエの臭みを楽しむ人もいるみたい



私は臭みとかクセのあるものけっこう好きなのよね〜
ジビエの生食が危険‼︎食べるとどうなる?


そもそも「ジビエ」に限らずお肉を生で食べる行為は、食中毒や感染症になる可能性があるので危険です!
ジビエを生で食べるとどういうリスクがあるのでしょうか?
E型肝炎ウイルス感染
E型肝炎はウイルスに感染したシカやイノシシの肉、特に内蔵を生食する事により感染し、発症すると完治するのに1ヶ月はかかります。
潜伏期間:2週間~9週間(平均6週間)
主な症状:強い黄疸(皮膚や目が黄色くなる)、腹痛、食欲低下、発熱、肝臓肥大、悪寒、吐き気、嘔吐
治療法:【急性期】入院もしくは自宅で静養
【劇症(症状がきわめて激烈で組織が壊れやすい状態)化した場合】
・血漿(けっしょう:血液から赤血球、白血球、血小板の除いた成分)交換
・人工肝補助療法(血漿交換と血液浄化を組み合わせた療法)
・肝移植などの特殊治療
ワクチン:開発中
生食はE型肝炎だけでなく「O-157」などの腸管出血性大腸菌などの微生物のリスクもあります。「中心部まで、75℃で1分間以上加熱」すれば病原微生物は死滅します。
寄生虫による食中毒
魚介類ではアニサキスが有名ですがジビエにも寄生虫のリスクはあり、その寄生虫はジビエによって異なります。
クマに寄生する旋毛虫(せんもうちゅう)
日本での発生例はクマですが、世界的にはブタを宿主にしています。
主な症状:吐き気、下痢、腹部のけいれん、発熱
(幼虫が筋肉に侵入)筋肉痛、発熱、頭痛、呼吸や発声に使う筋肉に痛み
(重症化)心臓、脳、肺などに炎症、死亡
予防方法:しっかりとした加熱処理(低温に耐性があり冷凍しても死滅しません)
イノシシに寄生する肺吸虫(はいきゅうちゅう)
主な感染源は淡水に住むサワガニやザリガニ、モズクガニなどの甲殻類です。
主な症状:下痢、腹痛、発熱、喀血(かっけつ)、呼吸困難などの肺結核のような症状
(脳へ侵入した場合)頭痛、嘔吐、てんかん様発作、視力障害、死亡
予防方法:しっかりとした加熱処理
シカに寄生するザルコシスティス・フェアリー
シカのほかにはウマや犬、爬虫類や鳥類にも寄生します。
主な症状:軽度の下痢、嘔吐
予防方法:マイナス20℃(中心温度)で48時間以上冷凍処理



寄生虫によって予防方法が違うのがこわい〜



死亡のリスクもあるからちゃんと調理することが重要だね‼︎
まとめ
《7月3日の放送で取り上げたジビエ料理について「ジビエ料理の生食は大変危険である」というご指摘を多数いただきました。実際にはお店は加熱してから提供しておりましたが、説明が不十分で誤解を与える表現となってしまいました。関係者のみなさま、並びに視聴者のみなさまにお詫び申し上げます。なお、野生動物の肉を食べる際は、厚労省のガイドラインなどに沿って、十分に加熱して下さい》
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/0b2b35d02b59437bfceec4b668c618727a6fafb3
「坂上&指原のつぶれない店」放送後、番組公式サイトに声明文が発表されています。
家畜より格段に運動量が多く自然の恵みを餌として育ったジビエは、肉本来の旨みやあふれ出る自然の味を味わうことができます。
しっかりとした下処理と調理で美味しくいただきたいですね。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
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