今村翔吾の本で読書苦手な人におすすめの作品4選!

第166回直木賞を受賞した歴史小説『塞王の楯』の著者、今村翔吾さん。

最近、書店に立ち寄ると今村翔吾さんの作品がズラッと並んでいるのを目にする機会が増えました。

手には取ってみるものの、歴史小説はなんだか難しいようなイメージがあって、読みづらいですよね?

今回は、普段あまり本読まない方、この機会に歴史小説を読んで見たい方に今村翔吾さんのおすすめ作品を紹介します。

(アイキャッチ画像出典元URL https://citylife-new.com/newspost/17622/)

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目次

今村翔吾のおすすめ作品3選

多数ある今村翔吾の作品の中から厳選した3作品を紹介します。

1 「童の神」

https://books.rakuten.co.jp/rb/15653844/

まず紹介するのは、今村翔吾さんの代表作と言われている、平安時代を彩った様々な伝説や人物・事件を題材とした一大伝奇小説、第10回角川春樹小説賞『童の神』です。

まず、みなさんは、タイトルの「童」という文字を見て、どういうイメージが浮かびますか?「童話」や「童謡」という言葉に使われる漢字なので、かわいくてほのぼのしている純粋な子どもの笑顔が浮かぶ人も多いと思います。

しかし、この物語の舞台となる平安時代、朝廷に属さない先住の人々は「童(わらわ)」と呼ばれていました。彼らは、鬼、土蜘蛛、滝夜叉、山姥……などの恐ろしげな名前で呼ばれ、京人から蔑まれ、虐げられていました。

この物語の主人公、桜暁丸(おうぎまる)は、皆既日食の日に越後で生まれました。

様々な出逢いを経て桜暁丸は、童たちと共に朝廷軍に決死の戦いを挑みます。

戦いのシーンは臨場感あふれ、カッコいいので、アクションが好きな人にもおすすめできる作品!

しかし、本作は、どちらが善でどちらが悪などと割り切れる物語ではなく、悪を倒してめでたしめでたしという物語でもありません。


そこには別れもあり、哀しく、でも愛があり、熱いです。

生きようとする人の美しさや、そして強さが熱く熱く描かれています。

過去も現在も未来も確かにつながっている。私たちは童たちからどんなメッセージを受け取り、未来へどんなメッセージを残せるのか。読む人の心を大きく揺さぶる作品だと思います。

言葉が難しくなくて、読みやすかった。桜暁丸と一緒に世を変えていきたいという気持ちになりながら読めたな〜

2「八本目の槍」

八本目の槍』は2019年刊行作品。第41回の吉川英治文学新人賞を受賞しています。


まず最初に「賤ケ岳の七本槍(しずがたけのしちほんやり)」について説明します。

賤ケ岳の合戦は、1583年に起きた織田信長亡き後の後継者争い。羽柴秀吉と柴田勝家の間に起こった戦いです。結果は秀吉の勝利に終わり、政権の継承者を事実上決定付けました。この時の、秀吉配下の小姓組で特に大きな戦功を挙げたのが「賤ケ岳の七本槍」です。

秀吉の子飼として勝利を決定づける活躍をした秀吉の子飼として勝利を決定づける活躍をした7人のその後が、各章ごとで綴られます。

出世した者もいれば、落ちぶれた者もいる。共に汗をかき、喜び、出世を夢見た仲間も時が経つにつれ立場や距離感が変わっていきます。

「七本槍」の波乱に富んだ人生が、オムニバス形式で語られますが、それぞれ独立した物語ではなく、人と人、時系列が複雑に絡まりつつ描かれていきます。

章ごとに時系列がドラスティックに前後していくので、脳みそがシャッフルされるような感覚!

今までの時代小説は、時間の流れが真ん中にあり、そこに様々な事件や大きな出来事が起こり、その時の登場人物の思いはどうか、という描かれ方が多いように思います。

こちらの作品では、歴史そのものではなく七本槍それぞれの人生、胸に秘めた想いに焦点が置かれています。

そして、7つの物語を文字通り突き刺す「八本目の槍」。石田三成(佐吉)です。他人からは理解されにくい彼の真意が7人のエピソードによってあぶりだされるようなストーリーです。

現代的な要素を何とか盛り込みたいとの著者の意欲はひしひし伝わります。時代小説に慣れてない方でも読み進めやすい作品です。

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3「塞王の楯」

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本作『塞王の楯』は今年話題になった、第166回直木賞作です。この作品で今村翔吾を知った人も多いですよね!

「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、究極の戦国小説!

どんな攻撃をも防ぐ石垣こそ平和に続く道だとして修行する石工の匡介の物語。匡介は、落城によって家族が犠牲になってしまい、逃げているときに源斎によって命を助けられることになりました。

やがて源斎は、匡介に石を見抜く才能があるということに気がついて、匡介のことを自身の後継ぎにしようと考えるようになるのです。

自分たちが石を積むのは、戦わない人々を救うためであると説き、平和を求めていくのでした。

そのために、匡介は、落城しない城を作ったら、戦国の世を終わらせることができると考えていきます。

一方、匡介とは異なったやり方で戦国の世を終わらせようと考えている人々がいました。

その1人が鉄砲職人の彦九郎で、匡介は、彦九郎が戦国の世を終わらせるために鉄砲を作るという考えに違和感を覚えることになるのです。

京極高次(きょうごくたかつぐ)は匡介に石垣の改修を依頼します。

そして敵方の石田三成は、彦九郎に鉄砲作りを依頼しました。

こうして、最強の盾と最強の矛の戦いが始まるのです。

歴史小説は、読み手もそれなりの知識がないと読みこなせないことが結構あったり、、

この本は、どこで、誰が、何が起こっているのか、文章から状況がありありとイメージできます。

本作は、描写力がスゴイおかげで、石積み技術に詳細な描写、合戦の様子が物語の自然な流れの中で、必要な知識を事前に説明しておいてくれます。

合戦が始まり熱い展開を迎える時、僕たち読者がその展開に没頭できるだけの知識が既にある状態になっているのでとても読みやすい。

戦いの様子が、登場人物たちの信念を反映した行動だからこそ、頭で理解できるだけでなく、感情として自分の心に届くので、一層臨場感を持って読むことができる作品です。

まとめ

今村翔吾さんは、ダンススクールの教え子と交わした約束から小説家を目指し、2017年に作家デビュー。
作家以外に、コメンテーターとしても活躍の場を広げてきました。

2017年にデビューすると、翌年「童の神」で直木賞候補に初ノミネート。 2020年に「じんかん」で2度目の直木賞ノミネート。


そして、今回3回目のノミネートで初めて直木賞を受賞しました。

作家以外に、コメンテーターとしても活躍の場を広げ、直木賞の会場に人力車で登場するなど、今後さらに話題になりそうな方ですね。

ご興味がある方は是非読んでみてはいかがでしょうか。

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