2月から各メーカーのポテトチップスが値上げになります。
カルビー「ポテトチップス うすしお味」(60g)など17商品は7~10%程度の値上げ、「じゃがりこ サラダ味」は今の60gが57gになってしまいます。
湖池屋の「ポテトチップス」も88gから83gに減らすとの発表がありました。
「じゃがりこ」と湖池屋「ポテトチップス」は値段は変わりませんが、内容量が減るので実質値上げになります。
今回は予告がありましたが、実は、かなり前から多くのお菓子の量が減ったり、小さくなったりしています。
なんだか前より少なくなっている、ということに以前から気がついていた方も多いのではないでしょうか。
なぜお菓子メーカーは値上げではなくこんな手段をとるのか、お菓子メーカーの実情を調査してみました。
お値段そのまま中身は減少!?ステルス値上げとは

商品の価格は変わっていないのに、内容量を減らして実質的には値上げになっている。
入数を減らすならまだしも、パッケージや箱が変わっていると、消費者はなかなか値上げに気が付くことができません。
この特徴から、SNSなどではレーダーに探知されにくい戦闘機になぞらえて『ステルス値上げ』と呼ばれています。
実は『ステルス値上げ』は2000年代中ごろからお菓子業界で頻繁に行われているのです。
各メーカーの値上げ商品
お値段据え置きで実質値上げになっている、各メーカーの代表商品を調べてみました。
予告してから内容量を減らしているメーカーは『ステルス値上げ』ではありませんが、ここでは合わせて紹介させていただきます。
- カルビー ポテトチップス(レギュラーサイズ)
- 2003年10月頃 90g → 2022年 80g
- 不二家 カントリーマアム(大袋)
- 2005年 30枚 1枚11.0g → 2016年 20枚 1枚10.0g
- ネスレ キットカット ミニ(大袋)
- 1997年1月時点 13g?×17枚 → 2020年9月~ 9.9g×15枚
- 明治 たけのこの里
- ~2000年頃 89g → 2015年~ 70g
- ブルボン ルマンド
- 2012年 14本 → 2019年9月~ 12本
- 亀田製菓 亀田の柿の種
- 2013年 210g → 2014年 200g
ここに書いたのは各メーカーの代表商品だけですが、この他の商品も内容量が減っているものが多くありました。

カントリーマアム、枚数自体が10枚も減ってる!



大胆過ぎて逆に気が付かなかった・・・
なぜステルス値上げは行われるのか


昨年の小麦やじゃがいもなどのお菓子の材料の不作による原料費の高騰、その他ガソリンの高騰による物流費、それに伴う人件費など、企業が商品を作るための費用は上がり続けています。
そのため企業は、コストを削減し何とか利益を上げていましたが、それももう限界に達し、値段を上げないと利益が上がらない状態になってしまいました。
本来なら価格を上げて対処したい。けれどそれは出来ない。
企業がステルス値上げをせざるを得ない理由は何なのでしょうか。
ライバル企業の存在
これまでの価格と内容量では利益を維持できなくなってしまった企業は、商品の値上げに踏み切ります。
しかし、ここで気になるのはライバル企業。
同じような商品が陳列棚に並ぶ中、高い商品は選びませんよね。
ここで価格を上げると一人負けになってしまう可能性があるため、なかなか値段を上げることができないのです。
給料が上がらない日本
値上げラッシュが続く中、唯一上がらないものがあります。
何でしょうか・・・それはもちろんお給料です。
諸外国に比べ日本の賃金は上がらず、ここ30年横這い状態が続いています。
そんな中で値上げをすれば、嗜好品であるお菓子は真っ先に節約の対象にされてしまいます。
そのため、お値段そのままで利益を上げる方法として、ステルス値上げをする企業が多くなってしまいました。
ついにうまい棒が値上がり !


企業にも色々な事情があることがわかりましたが、全て企業内の事情であり、こっそり量を減らしても良いということにはなりません。
予告があればまだマシですが、いつの間にか中身が減っているなんて、だまし討ちされたようでがっかりしてしまいますよね。
そんな中、ついに『うまい棒』が2022年4月より、税抜き10円から12円に値上げされると発表されました。
ですが、批判の声は全くといって良いほど聞こえてきません。
こちらは公式のツイッターですが、感謝と応援の声でリプ欄が埋まっています。
なんと、『うまい棒』値上げについてのアンケート調査では7割近くの方が「今まで値上げをしなかったことがすごい」と回答したそうです。
やはりステルス値上げをするより、包み隠さず発表した方が最終的には企業の利益になりそうですね。
まとめ
毎日のように何かしらの値上げのニュースが流れてくる昨今、お菓子が値上がりするのも仕方がないことなのかもしれません。
ですが、「おいしくなってリニューアル!」や「おしゃれで持ちやすくなりました!」などと言ってステルス値上げする企業は、やっぱり信用できません。
これからは値段だけでなく、裏面に記載されている内容量をチェックすることも必要になってくるのでしょうか。
ですが、一番の解決法はお給料が上がって、値上げ商品にも気持ちよくお金が払えること!
早くコロナが治まって、そんな世の中が来てほしいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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