セ・リーグがDHを導入するメリット・デメリット

昨年に続きプロ野球では今年も「セ・リーグのDH制導入」について検討が行われています。

今シーズンは見送られたセ・リーグのDH制導入が来季以降どうなるのか、プロ野球が出す結論に注目が集まります。

2021年現在、パ・リーグのリーグ戦、交流戦と日本シリーズのパ・リーグ主催試合で採用されているDH制。セ・リーグが導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

本記事では、セ・リーグがDH制を導入した場合のメリットとデメリットを抜粋して紹介します。

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目次

【セリーグがDH制を導入するメリット①】プロ野球全体のレベルの向上

まず、セ・リーグがDH制を導入するメリットとして、プロ野球全体のレベルの向上が考えられます。

DH制導入により、セ・リーグの投手はピッチングに専念できることになります。試合中だけでなく、練習もより専門的に取り組むことができます。

投手のレベルが上がれば、それに合わせて打者のレベルが上がるのは必然です。

セ・リーグで投打のレベルが向上すれば、その後パ・リーグのレベルアップという相乗効果が期待できます。

このようにセ・リーグのDH制の導入は、今後のプロ野球全体のレベルアップという大きなメリットがあります。

【セリーグがDH制を導入するメリット②】パの選手や外国人選手を獲得しやすくなる

次に、セ・リーグの各チームのメリットを考えます。

DH制導入によるセ・リーグ各チームのメリットのひとつに、パ・リーグの選手や外国人選手獲得しやすくなることが挙げられます。

セ・リーグのDH制の導入で、パ・リーグの以下のような選手はセ・リーグへ移籍しやすくなります。

  • 打席経験が少な投手
  • DHが専門の選手
  • 守備に不安な選手

DH制のないセ・リーグへの移籍について、パ・リーグの選手は少なからず障壁があったと考えられます。

セ・リーグのDH制導入によりその障壁がなくなれば、セ・リーグ各球団はパ・リーグ所属の選手を格段に獲得しやすくなります。

同様に、守備位置や守備の能力に関係なく、打撃に長けた外国人選手を獲得しやすくなります。

このように、DH制を導入することで、セ・リーグの各チームはこれまで以上に他リーグの選手を獲得しやすくなります。

懸念点は、経済力の高い球団が選手を集めやすくなること。そのように集めた選手たちに活躍の場を設けるなら納得のしようもあるが、控えや二軍・三軍に置くことは野球界にとっての損失となるので控えていただきたいところです。

【セリーグがDH制を導入するメリット③】先発投手の投球イニング数が増える

次に選手に目を向けてDH制導入のメリットを考えてみます。

まず、先発投手の投球イニング数の増加が期待されます。

DH制が導入された場合、打席との兼ね合いによる途中交代がなくなるためです。

以下の2021年シーズンの先発投手のデータをご覧ください。

先発回数15試合以上で1試合平均6イニング以上投球した人数

セリーグ29人中8人(27.6%)

パリーグ25人中13人(52%)

1試合平均6イニング以上投げたセ・リーグの先発投手の数は、パ・リーグのおよそ半数です。選手個人の能力の差も考慮する必要はありますが、ここまで差が顕著だと、打席の有無という制度が関連していると考えられます。

そのため、DH制の導入で打席のタイミングによる途中交代がなくなれば、セ・リーグの投手も投球イニングが増えること考えられます。

また、先発投手の投球イニングが増えれることは、リリーフ陣への負担を減らすことにもつながります。

このような影響を考えると、DH制の導入は投手には喜ばしいことではないでしょうか。

【セリーグがDH制を導入するメリット④】野手の出場機会の増加

DH制の導入は、野手にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

野手にとっての大きなメリットは、出場の機会が増えることです。

DH制の導入は、単純に先発の出場枠が一つ増えることになります。

そのため、

  • 若手選手
  • ポジションの重複した選手
  • 守備力が劣る選手

などの起用の機会が広がります。

特に若手選手の活躍の機会が増えることは、野球ファンにとっては歓迎すべき点です。

【セリーグがDH制を導入するメリット⑤】つまらない打席を見る機会が減る

セ・リーグのDH制導入のメリットの最後に、私たち視聴者にとってのメリットをひとつ紹介します。

それは、投手の打つ気のない打席を見ることがなくなることです。

2021年シーズンのセ・リーグ先発回数上位30人の投手の三振数を調べたところ、493の三振がありました。対する打数は951で、三振の確率はなんと51.8%。実に2打席に1度以上が三振というものでした。

点差が大きく開いている場面や、投手が次の回のピッチングに専念したいときなどに、投手がホームベースから離れて立ち、見逃しや当てる気のないスイングで三振をする機会を多々目にしてきました。見ていて気持ちよく思わない視聴者も多かったのではないでしょうか。

今後DH導入で投手が打席に立つ機会がなくなれば、同様のシーンを見ることがなくなります。

代わりにDHを務める打撃に優れた選手の打席を目にする機会が増えるのは、私たち視聴者にとってとても喜ばしいことです。

【セリーグがDH制を導入するデメリット①】セ・パの格差が埋まるまでには時間がかかる

ここまでメリットをお伝えしたセ・リーグのDH制導入ですが、デメリットもあります。

まず、DH制を導入したとしても即座にはセ・パの格差が埋まらないことが挙げられます。

セ・リーグのDHの導入は、セ・リーグがパ・リーグのルールに合わせるということです。それも40年弱の出遅れという大きなハンディを背負ってです。

単純に考えるとDHのない試合は打席経験が豊富な投手が多いセ・リーグが有利なはずです。しかし実際には交流戦や日本シリーズでセ・リーグは劣勢が続いてきました。有利なルールの中で戦ったにも関わらずです。

その理を捨てて戦うのことになるので、DH制を導入したとしても、セ・リーグがしばらく劣勢を強いられる姿が目に浮かびます。

【セリーグがDH制を導入するデメリット②】打者は内角球とデッドボールへの対応が必要

DH導入によって打者には気を配るべきデータがあります。

それはデッドボールの数です。

2021年デッドボールのデータを見ると、セ・リーグ合計260個、パ・リーグ合計318個。セ・リーグに比べてパ・リーグは22.3%もデッドボールが多かったのです。

これはパ・リーグの投手が、打者の内角を厳しく攻めているからだと考えられます。

もし当ててしまっても報復死球の恐れがないからか、または打者のレベルの向上により内角を責める必要性が高いからか、またはその両方から、 パ・リーグはデッドボールの数が明らかに多いのです。

セ・リーグもDHの導入により同様の傾向が現れることが懸念されます。

DH制導入後のセ・リーグ各打者は、打撃アプローチを変えると共に、デッドボールへの対策も必要とされることになります。

【セリーグがDH制を導入するデメリット③】失われる見どころがある

私たちプロ野球ファンにとってもデメリットがあります。

両リーグがDH制になると、これまでとはプロ野球の姿が変わり、それによって失われるものがあるからです。

たとえば、勝負どころでの選手起用がそのひとつです。

試合の中盤から終盤にかけた投手の打席のタイミングで、「続投か代打か」といった監督の采配も野球の見所のひとつでした。

セ・リーグもDH制を導入して、両リーグから投手が打席に立つ機会がなくなれば、私たち視聴者はその采配シーンを見る機会を失うことになります。

また、「代打の神様」も現れなくなってしまうのではないでしょうか。

チャンスで代打に起用されるような打撃力のある選手は、DHとして出場することになるでしょう。打撃力のある選手を1打席のみではなく4打席立たせたいと考えるのは監督として当然だからです。

それにより、かつては阪神タイガースの八木裕選手、桧山進次郎選手、そして今年のシーズン中、日本シリーズともに代打で活躍をしたヤクルトスワローズの川端慎吾選手。彼らのような、試合を左右する場面での代打の活躍を見る機会が減ってしまう可能性があります。

チャンスの場面でとっておきの打者が送られる、あの緊張感と盛り上がりを見る機会が減ることは、一野球ファンとして寂しさを感じます。

まとめ

セ・リーグのDH導入は、これまでとは日本のプロ野球の姿が変わることになります。そこにはDH制のない野球ならではの魅力の一部を失う可能性も。しかし将来的にセ・リーグのみならずプロ野球全体のレベルアップにつながるものでもあります。

より高いレベルのプロ野球を見ることができるのであれば、われわれ視聴者には喜ばしいことではないでしょうか。

昨年は「導入せず」との結論に至ったセ・リーグのDH制導入、今回出される結論は果たしてーー。今後の動きに注目です。

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